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段彫り・点画・筋彫り 多彩な表現方法で一括加工

今回は航空べニアと呼ばれるシナベニア合板の一種でペーパークリップみたいな物を作ってみようと思います。
ただ、これを単純に加工するだけではあまり面白くありません。今回は更新されるソフトウエアの実験を兼ねた作例となります。

Podeaソフトウエアはリリースされてから約2年の間基本的な機能は全く変わりませんでした。
現在はハードウエアの熟成が進んだため、進化の余地が多く残されているソフトウエアの方に舵を切り始めています。

リリース前検証として今回の作例に至りました。

さらに今回はフリーのDRAWソフトウエアであるInkScapeを使用してデータを作成し新しく実装された全ての機能を実現する加工を行ってみたいと思います。

使用機種 Podea-01 (Type-G) 6Wモデル
使用素材 航空べニア 厚み1.8㎜
加工時間 約18分
使用ソフトウエア InkScape 0.48

航空べニアを自由自在に加工

今まではCorelDRAWとイラストレータの2種類のソフトのみの対応でしたが、​今回からInkScapeも対応するためInkScapeでデータを作り

新しく実装された全ての機能を使えるようにプラグインが用意されています。

InkScapeでマルチレイヤー加工データ作成

今回の加工データには5つの加工要素が入っています。通常彫刻・多段彫刻(一部重ね合わせ)・点描画・筋彫り・切断です。
今回はこれらの多要素加工が一回の加工で連続しておこなわれます。

今までのPodeaは加工については2レイヤーしかありませんでしたが(彫刻で1、切断で1の2レイヤ)
今回の進化で自由な組み合わせと自由なパラメータを組み合わせた多重レイヤー加工が出来るようになります。​写真画像を簡易的に点画にする機能も実装されています。

Podea マルチイヤーデザイン
Podea マルチイヤーデザイン

多重レイヤー加工が出来るようになるとどのような事が出来るようになるでしょうか?

今回の作例では自動的に2回にわたり異なるデータを異なる加工パラメータで彫刻することで目の部分の段差を表現してみたり・・・。

航空ベニヤ段加工
段加工用データ

フルパワーで一発で切断しきる加工と、加工スピードを上げてレーザーのパワーを下げて切断しきらない切断加工(筋彫り加工)をすることが出来るように​なりました。 もちろんさらにこの上に彫刻加工を重ね合わせることも可能です。

Podea 航空べニア筋彫り

レイヤーを分けて加工する事が出来ると、意図的に彫刻データを分けて加工することで​加工時間が短くできる可能性があります。

下絵の上側の目の部分の彫刻を行うと左右に大きくレーザーヘッドを振りながら彫刻加工します。

これぐらいの密度で彫刻データがあればそのまま加工しても良いのですが、下絵の下側のようなパターンで彫刻する部分が

左右に大きく離れているため全く加工しない空走距離が多くなり加工時間が非常に長くなる場合があります。

この場合左側の2個の目と右側にある2個の目を別レイヤーに分けて別々で加工することで加工時間が短縮されます。

​これはパワーが弱く加工時間が長くなりがちなPodeaレーザー加工機にとっては上手く使えば大きな時短効果が得られます。

時間短縮可能例

改良ソフトウエアの適用予定内容等

記事を書いている時点では基本的な部分の開発が終わっていますが、記事を書いている時点ではまだリリースされていません(2017/3/M)

1か月程の時間をかけてドキュメントの整備と各種DRAWソフトウエアへの対応等をへてリリースがされる予定です。

その予定対応範囲は下記の通りとなります。(仕様は変更される可能性がございます)ソフトウエアは更新された場合はメールで情報配信致します。

対象ユーザー

Type-G以降のユーザー

対象ソフトウエア-プラグイン方式(予定)

Illustrator CS2~CC2017

CorelDRAW Graphics Suite X6~X8

対象ソフトウエア-非プラグイン方式(予定)

CorelDRAW Essentials X6~X8

InkScape 0.48

対応レイヤー数

InkScape 最大9レイヤ(増加可能性あり)

その他 最大32レイヤ

​リリース予定時期 2017年4月中旬~下旬

Podeaソフトウエアについて

レーザー加工機は一般的なプリンターと異なり、各メーカーが独自の手法で動かしている事がほとんどです。

極端に言えば、業界全体的に標準化はされていないに等しい状態です。


このような状況でこそPodeaは本領が発揮されます。使う立場として本当に使いやすくするにはどうすれば良いのか?

他社メーカーのデータの作り方を理解・実際に使ってみた上で使用シーンを熟考し今Podeaの中である技術資源を最大限利用した上で

どのように使えば良いか考慮した結果、マルチレイヤー方式という手法に落ち着きました。

他社メーカーの場合は16色ぐらいの色分けによって加工設定を行う例が多いのですが。

これはとても多彩な設定が出来る反面、データを作る時の順序・色の実行順序を常に気を払う必要があります。


Podeaのソフトウエアは考え方はシンプルです。(この色に限りませんが)彫刻は黒 切断は赤で作成し、加工順序はレイヤーの順番で
加工されていくというシンプルな構造です。

加工順番を変えたければ、使い慣れたデザインソフトウエアのレイヤー順を入れ替えればいいだけです。

出来ることは多くなっても考えることは最小にデザインを最速で加工データに出来るようシンプルに構成されています。

ソフトウエアの改良一つとってもそれによって得られるメリットも含めお伝えしたいことは山のようにあります。

お伝えしたいこと、追加したい機能等思い描いていることは多いのですがそれはまた別の機会にご紹介できればと思います。

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